レスベラトロールが2型糖尿病患者の心臓の健康に効果:日本のランダム 化比較試験より
東邦大学佐倉医療センターでは、プラセボ補充群とレスベラトール補充群の2つのグループに分けた50人の2型糖尿病患者を対象としたプラセボ対照ランダム化臨床試験を実施した結果、レスベラトロール群では動脈硬化 (アテローム性) と酸化ストレスが有意に減少していることがわかった。
これらは、12週間の経口レスベラトロール補給から生じた結果で、その後レスベラトロール群の体重およびBMIもわずかに低下したことが判明し、同時に収縮期血圧も有意に低下した。
研究は、動脈壁の硬化測定は、「可逆性血管障害を検出することができるため、血管損傷の良好な生理的代用マーカーと考えられ、治療の効果を評価するのに有用である」と述べている。
12週間以上のレスベラトロール補給はまた、糖尿病下で増加することが知られている酸化ストレスを減少させることが示された。
基になるメカニズム
研究は、さらに「本研究で認められた酸化ストレスと減量を総合することで、動脈剛性を向上させるメカニズムに関与することができる」と報告した。
しかし、以前に解明されているメカニズムの1つであるレスベラトロールが内皮機能を改善するという「他の発症機序」が関与している可能性が高まった。
2型糖尿病患者のレスベラトロール補給が酸化ストレスおよび動脈の硬化度に及ぼす総合的な肯定的効果にもかかわらず、RCTのサンプルサイズおよび研究期間が比較的短いことから、レスベラトロールの長期的効果は依然として不明であり、「フォローアップ期間が長いクロスオーバーデザインの更なる大規模なブラインドスタディが必要かもしれない」と述べている。
「レスベラトロールは、糖尿病によって誘発されるアテローム性動脈硬化症の発症を予防するのに有益であり得るが、大規模なコホート研究が現在の知見を検証するのに必要である」と結んだ。
出典:International Heart Journal
http://doi.org/10.1536/ihj.16-373
“Resveratrol Ameliorates Arterial Stiffness Assessed by Cardio-Ankle Vascular Index in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus”
(レスベラトロールは2型糖尿病患者のCAVIによる評価で血管弾性を改善した)
著者:今村榛樹等