Euromonitor Internationalのシンガポール在住 アナリスト, Reema Bhagwan Jagtianiga がVitafoods Asiaのパッケージ食品と飲料分野における好機に関する会議で判明したこれらの情報を提供してくれた。
2016年、 APACにおける健康とウエルネス向けのパッケージ食品と飲料の売り上げは2080億ドルとなり、国際市場においてこの分野の32%を占めトップとなった。
機能性食品および栄養強化食品はパッケージタイプ健康食品と飲料の売り上げの多くを占め、 APACでの売上高の46%を占め、グローバルレベルでは同セグメントの売上高は35%となった。
イノベーションを支える規制
日本では新しい機能性表示食品 (FFC) 制度が、 “革新的な成分の有効活用” を後押していると評価を受けている。
FFCは2015年4月に導入されたもので、製造者がより厳密かつハイコストな特定保健用食品(FOSHU)のプロセスを経ることなく、自社製品に関する限定的な健康強調表示を行うことを認めている。これは届出制の形をとり行政による認証ではないが、より革新的な製品が機能性食品や栄養強化食品の領域に導入されることとなった。これらには、脂肪や糖分の吸収を抑えると言われているデキストリンと食物繊維を含む茶、スパークリングウォーターとフルーツスカッシュ、健康的な血流を促すモノグルコシルヘスペリジンを含むティーパウダー、そして体脂肪を減らすガガゼリ菌SP株を含む飲料などがある。
ビタミンK2が豊富な納豆やマンガンとビタミンB群が豊富な甘酒など、従来の日本の食品や飲み物も今後の機能性表示食品への応用研究がすすめられている。
栄養強化の今後
Euromonitor社は、2021年までに、APACにおけるパッケージタイプの健康食品、飲料市場は年平均成長率 (CAGR) 4%で成長すると予測している。
自然健康食品と同じく機能性食品、栄養強化食品はこの分野における売り上げの最大のシェアを維持すると思われる。
また、インド、日本、中国は、APACの健康・ウエルネ市場の売り上げトップ3(それぞれのシェア:7%、20%、55%)としてとどまるとみている。これは、消費者基盤の大きさ、規制および人口分布、消費意識の高まりなど、いくつかの要因に起因している。
さらに同社は2016年から2021年の間にAPACの急成長を続ける機能性食品・栄養強化食品市場は香港を筆頭に中国、ベトナム、マレーシア、インドネシアが400万USドルから800万USドルのCAGRをもたらすと予測している。