亜鉛錯体が腎臓と肝臓に影響を及ぼし糖尿病に対処する可能性:日本の 研究より

By Cheryl Tay

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亜鉛錯体が腎臓と肝臓に影響を及ぼし糖尿病に対処する可能性:日本の 研究より
腎臓と肝臓の脂質代謝を介して亜鉛系化合物、ビス(ヒノキチオラト)亜鉛錯体 (Zn(hkt)2)は糖尿病と闘うのに有効かもしれないと日本の研究者が述べている。

インスリン抵抗性および肥満は、非アルコール性脂肪肝疾患の最も一般的な症状であり、過剰または不十分な皮下脂肪を有するインスリン抵抗性の場合も、典型的に肝臓中に過剰な脂肪蓄積を有する。

亜鉛系化合物は、糖尿病や高血圧などのメタボリックシンドロームに起因する疾患に対して効果があると言われており、京都薬科大学、神戸女子大学、および武庫川子大学の研究者らは、Zn(hkt)2​がどのようにして脂質代謝を改善するか解明を試みた。

体重1kgあたり20mgのピオグリタゾンを含む高脂肪食(対照群)または10mg〜20mgの亜鉛を含む高脂肪食を4週齢のオスのマウスに与えた。

その後、マウスの血液、腎臓および肝臓サンプルを採取し、各器官の脂肪蓄積を評価した。

亜鉛の複合的効果

高脂肪食を4ヵ月摂取した後、マウスは腎臓および肝臓に異所性脂肪蓄積を示したが、Zn(hkt)2で処置したマウスは両方の器官で亜鉛蓄積を増加させた。

これにより、脂質蓄積、毒性、およびトリグリセリドおよび総コレステロールレベルが低下した。

しかしながら、対照群のマウスは、脂肪肝疾患に加えて、高トリグリセリド血症および高コレステロール血症を発症したと報告された。

研究者らは、収集データは、Zn(hkt)2​がいくつかの酵素を活性化または阻害することによりベータ酸化などの脂質代謝を活性化することを示唆していると述べた。

脂質および毒性低下作用に加えて、Zn(hkt)2​は全身に抗炎症特性を示した。

腎臓合併症

研究者らはまた、高脂肪食が原因のメタボリックシンドロームや糖尿病は、腎臓の変化を誘発し、臓器重量の増加や炎症性浸潤を引き起こす可能性があり、「炎症性サイトカイン放出の増加は腎臓の損傷と酸化ストレス関連する可能性がある」と述べた。

これらの結果により、研究者らは、「ピオグリタゾンおよびZn(hkt)2​処置は、肝臓および腎臓の脂質蓄積を減少させ、脂質の毒性を改善する」と述べた。

「Zn(hkt)2​は、脂質の毒性から肝臓や腎臓の機能を保護する可能性があり、その効果はピオグリタゾンよりも高い可能性がある。Zn(hkt)2​は食事性肥満治療の新規抗脂質異常化合物と成り得る」と結論付けた。

 

出典:In Vivo

https://doi.org/10.21873/invivo.11181

"Beneficial Effect of Bis(Hinokitiolato)Zn Complex on High-fat Diet-induced Lipid Accumulation in Mouse Liver and Kidney"

(マウス肝臓および腎臓における高脂肪食による脂質蓄積に及ぼすBis(Hinokitiolato)Zn

錯体の有益な効果)

著者:Yuki Naito等

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