疫学的研究によると、日本の人口の約25%が酸性逆流や腹痛のような消化器症状を経験している。通常、軽度で一時的な胃腸症状を経験する人は、治療を選択する代わりに、症状を緩和するために機能性食品を使用する方が良い。
ヤクルト中央研究所、日本橋循環器科クリニック、東邦大学医学部の研究者らは、B. bifidum YIT 10347の健常成人における胃腸症状に対する効果について研究した。
プロバイオティクス対プラセボ
100人の参加者を無作為に治療グループまたはプラセボグループに割り当て、 4週間にわたり治療グループの各参加者は、Bifidum YIT 10347発酵乳100mlを毎日摂取し、プラセボグループでは毎日100mlのプラセボ発酵乳を摂取した。
主なエンドポイントとして、胃食道逆流症状尺度 (m-FSSG)および消化器疾患症状尺度(GSRS)の兆候を修正周波数スケールを用いて胃腸症状を評価し、精神的症状、唾液ストレスマーカー、胃内容排出および全体的な生活の質を副次的エンドポイントとして評価した。
m-FSSG評価ではプラセボ群と比較して、「食後の不快感の大幅な軽減率および食後の上腹部痛のより大きな変化」を示したことを観察した。
GSRS評価の場合は、処置グループは、プラセボグループよりも、胃腸症状、上部消化管症状、下痢および鼓腸全体のリリーフ率が有意に高かった。
しかし、精神症状、唾液ストレスマーカー、胃内容排出、または2つのグループ間の全体的な生活の質のリリーフ率には、顕著な差は検出されなかった。
いずれのグループでも試験飲料摂取に関連する重篤な有害事象は認められなかった
研究者らは「これらの結果は、B.bifidum YIT 10347で発酵させたミルクの毎日の摂取は、健康な成人の胃腸の不快感および食後の不快感および上腹部の痛みなどの症状を副作用のリスクなく緩和するのに役立つことを示唆している」と結んだ。
「アプローチは、治療よりも負担が少なく、費用も安い。」
出典:Journal of Dairy Science
https://doi.org/10.3168/jds.2017-13803
"Bifidobacterium bifidum YIT 10347 fermented milk exerts beneficial effects on gastrointestinal discomfort and symptoms in healthy adults: A double-blind, randomized, placebo-controlled study"
「ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT 10347発酵乳は、健康な成人の胃腸の不快感および症状に対して有益な効果を発揮する:二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験」
著者:A. Gomi,等