パーソナライズトニュートリション関連企業の増加におけるDNA検査のトレンドをリードする日本

By Tingmin Koe

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パーソナライズトニュートリション関連企業の増加におけるDNA検査のトレンドをリードする日本
日本の消費者遺伝子検査業界が活気づいている、パーソナライズトニュートリション関連企業は、個々の必要性に応じた製品、特に高齢者からの需要を取り込むことができることを期待している。

富士キメラ総研によると、2022年に66億円に達すると予想される消費者遺伝子検査業界は、2017年の43億円から35%の増加となった – 今のところ、国内企業2社、ジェネシスヘルスケアとジーンクエストが独占している。

両社は、DNA検査製品とサービスを顧客に提供しており、検査のために採取した口腔粘膜検体を提出するだけで、アレルギーや疾病リスクなどの健康状態の詳細なレポートを受け取ることができ、料金は5,000円から30,000円となっている。 

あらゆるニーズのためのテスト?

NutraIngredients-Asiaが、国内マーケットシェアの70%を占めるジェネシスヘルスケアに取材したところ、今年は100万人の顧客を目指して、既に60万人以上の顧客にサービスを提供、データの照合を行っているとの事であった。

東京で起業し、シンガポールに事務所を構え、日本ではジーンライフという名称で通っている。昨年8月以降、楽天株式会社からの14億円の出資により好調な業績を上げており、時を同じくしてCEO 三木谷浩史氏が役員となった。

日本で最もよく使われているDNA検査キットの2つは、Genesis 2.0とGeneLife DIETである。 前者は、さまざまな癌、アレルギー、および骨、眼、肺、脳、免疫系、消化器系などに関連する状態を含む「世界で最も遺伝的な検査項目」をカバーするとされている。後者は、口腔粘膜検体で遺伝子型を決定し、その結果に基づいて食事やライフスタイルの推奨を行い、体重管理によりユーザーをサポートしている。

シンガポールの広報担当者は「人気の点で、Genesis 2.0キットは、異なる病気のリスクや個体の健康特性など、361項目の検査項目をカバーするため、際立っています。このキットには検体採取チューブが付属されおり、チューブに少量の唾液を入れ、同封の封筒に入れて返送して頂きます。 体型に重点を置いたGeneLife DIETはテストを行ったユーザー(簡単な口腔粘膜検体採取)は、分析のためにサンプルを弊社に送り、食事の推奨事項に関するレポートを入手します。Genesis 2.0では、ユーザーは実際にオンラインでもアプリでも結果を知ることができ、GeneLife DIETでも近々にオンライン版が公開されます。ユーザーはいつでもどこでも自分の情報にアクセスできます。」

ジェネシスヘルスケアでは、日本とシンガポールのユーザーがそれぞれの本社にDNAサンプルを送付するための郵便料金をカバー、サンプルは日本のジーンライフラボに送付され、1か月以内に結果を受け取る。

同社はまた、スキンヘルス、メタボリズム、スポーツニュートリションをカバーする別の4種類のテストキットも提供している。

さらに、指先穿刺血液検査を含む医師や研究者の臨床使用のための、より広範囲で複雑な検査キットも備えている。

日本とシンガポール以外では、台湾、マレーシア、インドネシア、タイ、韓国の五か国で現在入手可能。

老齢の魅力

18歳以上のユーザーに適した消費者テストキットは、日本の高齢者の間で特に人気がある。高齢者達は、健康状態を記録するために提供される利便性とシンプルさを評価している。

アナリストは、日本の人口の約33%が2035年までに65歳以上になると述べている。

この急速な老化のペースは、多数の健康リスクに人生の後半に直面するかもしれない人々の増加を警告しており、これらはDNA検査によって早期に検出することができる。

実際、近年、日本の高齢者は、パーソナライズヘルス&ニュートリションサービスの考え方を徐々に受け入れている。

消費者個別型食と栄養製品の提供に可能性を見出だす食品会社はジェネシスヘルスケアとジーンクエストに関心を持っている

先月、ネスレはジェネシスヘルスケアとの提携​を発表、前者の焦点が一般的な食品・飲料から日本の高齢ケアにシフトしたことを示し、DNA検査に基づく食事ガイドを提供する新しいアプリを発表した。

昨年、健康飲料やサプリメントメーカーのユーグレナがジーンクエストを買収し、両社は現在、アルコール耐性に関するDNA検査を提供している

今年の初めに、DSMは、MYCODEと呼ばれる遺伝子検査サービスで知られている日本の企業DeNAライフサイエンスとのコラボレーション​を発表した。

ジーンライフ Yusuke Nakanishi COOはNutraIngredients-Asiaに「健康な人としてどれくらい生きていられるかは最近、大きな議題となっています。近年の日本では高齢者が急増しており、今後10年間で30%以上が60歳以上になると予測されています。女性の平均余命は約87年です。日本は 世界で最も長寿の国の一つになっている。

これは、平均余命が長いほど生活の質が向上し、より幸せで活発な生活を送れるよう早期の予防が必要だということです。遺伝子検査は、日本の高齢者に人気が高まっています。なぜなら、発症リスクが高い疾患をよりよく知ることができるからです。これらが特定されると、かかりつけ医に予防方法について相談し、リスクを最小限に抑えるように食事を変更するなど、より良いライフスタイルの選択肢を作ることができます。」

緩やかな成長

それでも、日本のホームテスティング分野は、2017年の遺伝子検査に81億円(7300万米ドル)が費やされた米国と比較して見劣りしている。

しかし、ジェネシスヘルスケアとジーンクエストは、消費者が関連する技術について知識を深めるにつれて、個々のユーザーの遺伝子データに基づく家庭検査キットとオンラインサービスの需要が増加し続けると確信している。

高齢者のケアとは別に、ジェネシスヘルスケアは多くのアジア諸国でますます深刻化している肥満の領域をさらに探求したいと考えている。

Nakanishi氏は、「日本とアジアで肥満が広がることに伴い、遺伝子と栄養がどのように絡み合い、健康に影響を与えるかを理解する必要性がこれまで以上に重要と考えています。」と語った。

「ジェネシスヘルスケアは単なる民間企業ではなく、研究機関です。完全なゲノムを理解することから情報が解読されるにつれ、コンシューマーキットを通じてさらにパーソナライズトニュートリションを提供する考えです。」

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