アサヒ、健康食品原料使用の研究開発を推進するイノベーションカンパニーを設立

By Tingmin Koe

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アサヒ、健康食品原料使用の研究開発を推進するイノベーションカンパニーを設立
ビール大手アサヒグループは、酵母や乳酸菌研究の知見の更なる探求を進め、新しいデジタル技術を活用するためアサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社(AQI社)を設立した。

4月1日から操業を開始した同社は、アサヒの中期経営方針の一環として設立された。

新会社の開設に伴い、アサヒグループは親会社のR&Dセンターの機能を集約し、AQIに譲渡する。 

東京都の本社から離れた茨城県にある新会社は、研究開発を通じた新規事業の柱の確立、新規健康食品原料の開発、研究開発の促進、 環境負荷の低減など倫理的なビジネスモデルに貢献し、新しいビジネスを創造するという5つの主要分野に重点を置く。

健康食品の成分に関しては、酵母と乳酸菌に関する知識を深堀する。 現在、日本初の乳酸飲料「カルピス」に使用される同社保有の乳酸菌株を用いる。

また、AIの活用など従来の方法を超える研究開発を進める予定でもある。

アサヒグループは昨年9月にAIの利用に関する試験を行い、製造プロセスを改善することが可能になったことを確認、これにより長期在庫を削減し、2億円の経費節減に役立つと期待が持たれている。

今年1月以降、すべての飲料製造プラントと納入プラントでAIを採用しており、7月には本格的なAI運用を目指している。

アサヒグループの広報担当者は、「清涼飲料市場では、月ごと(季節ごと)に需要と供給のレベルが大きく異なるため、AIは生産レベルを予測するのに役立ちます」、「研究開発機能を独立した新しい組織にすることで、意思決定の自由度と敏捷性を向上させ、グループ戦略に基づいて研究課題と新規事業にリソースを集中させます」とNutraIngredients-Asia​に語った。

研究助成金

アサヒグループは、新しいイノベーション企業を設立すること以外に、三次教育における研究開発を促進するための新しい資金も投入している。

アサヒグループ学術振興財団は先月末、総額1840万円で23の研究プロジェクトを支援することを発表した。この23のプロジェクトは選考委員会による厳格な審査の結果、158件の応募から選ばれた。

これらの研究は、生活科学部門、生活文化部門、地球環境科学部門、そしてサスティナブル社会・経済学部門の4つの主要分野に焦点を当てている。

健康食品成分に関する研究では、国立循環器病研究センター研究所による動脈硬化プラークの軽減に有用な脂肪酸とプロバイオティクスの組み合わせの研究、ならびに名古屋大学による炎症性腸疾患の予防効果を示す食品成分の探索研究が含まれる

サスティナブル社会・経済学部門に関しては、芝浦工業大学によるエコ・マニュファクチャリングの研究や、大阪市立大学によるフードロスの削減におけるフードバンクの効果などに助成金が授与された。

1985年以来、この財団は652件に助成金を提供し、その総額は約5億8千万円となっている。

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