森永の研究で、乳児の腸から生成される重要な免疫増強代謝物が明らかに

By Guan Yu Lim

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森永の研究で、乳児の腸から生成される重要な免疫増強代謝物が明らかに

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森永乳業の研究により、乳児型のヒト常在性ビフィズス菌(HRB)は、重要な代謝物である免疫促進性インドール-3-乳酸(ILA)を産生することが解り、乳児の健康に対する利点の理解に一歩近づく。

つまり、「乳児型HRBの株は、乳児用のより良いプロバイオティクス候補になる可能性がある」と森永乳業の研究員、Dr. Chyn Boon WongはNutraIngredients-Asia​誌​語った。

同社は、乳児型HRBは母乳オリゴ糖(HMO)を利用できるため母乳と互換性があり、人体に存在する天然の抗菌因子であるリゾチームに対する耐性が高いと述べている。

「過去20年以上にわたって、母乳で育てられた乳児の腸内微生物叢を人工乳で育てた乳児に再現するための多くの試みが行われました。これは、さまざまな疾病発症の根本的な要因の研究です。」

「近年、APAC地域では、乳児の健康的な成長と発達を促進する手段として、プロバイオティクスやプレバイオティクスなどの機能性成分を含む乳児用食品を食べさせたいという親の欲求が著しく高まっています」とDr. Wongはみている。

研究成果

研究者は、乳児の健康における乳児型HRBの機能的役割を調べるための研究​を実施し、その際、ビフィズス菌種の異なる株によって産生される代謝産物を調べた。

B. longum ​BB536、B. breve​ M-16V、およびB. infantis​ M-63を含む幼児型HRBの株が、他の種よりも高いレベルのILAを産生したことを報告している。

ILAは、乳児の免疫能発達に関与するトリプトファン代謝物だが、その生物学的意義は不明である。

「乳児型HRBによって特異的に産生されるこの代謝物は、乳児の免疫発達に関与している可能性があると考えられています。ILAは免疫調節T細胞の誘導と炎症性T細胞の抑制に関与していると報告されています」とDr. Wongは説明している。

トレンド

Dr. Wongは、ヒトビフィズス菌の代謝産物に関する新しい発見は、この分野でのブレークスルーであり、乳児栄養製品に価値を加えるだろうと述べ、「健康的なベビーフードの需要の高まりにより、乳児栄養市場はAPAC地域で急速に成長すると予想されます」と付け加えた。

同社は、このビフィズス菌種がヒト乳児の成長と健康の発達に寄与する理由と方法をよりよく解明するために、乳児の健康におけるHRBの機能的役割に関するさらなる研究を続ける。

森永乳業は現在、ヒト宿主が最適な健康を達成することを助けるのに効果的な、特に幼児の使用に適する4種の主要なHRBプロバイオティクス株(BB​536、M-16V、M-63、およびB-3)を保有している。

「ビフィドバクテリウムロンガム亜種などのヒト乳児の腸から一般的に分離されたビフィズス菌種の株、Bifidobacterium longum ​subsp. longum​, Bifidobacterium longum ​subsp. infantis​, Bifidobacterium breve​, とBifidobacterium bifidum​は、他の種の株よりも高いレベルのILAを産生した。

「これらの結果は、乳児型ビフィズス菌がヒト乳児でILAを産生することにより、宿主-微生物間のクロストークに特定の役割を果たす可能性があることを示唆している」と研究論文は結論付けている。

出典: Microorganisms

https://doi.org/10.3390/microorganisms7090340

“ヒト乳児から分離されたビフィドバクテリウム株によるインドール-3-乳酸の生産”

著者: Takuma Sakurai, 等.

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