雪印メグミルクは、アレルギー症状を緩和する初の機能性ヨーグルトドリンクを発売
乳酸菌ヘルベヨーグルトは、今年一月に日本で発売となった。 これには、アレルギー反応の症状を緩和する効果について以前に研究されている乳酸菌 ラクトバチルスヘルベティカス(L. helveticus)SBT2171が含まれている。
臨床試験
ヒト臨床研究で研究者は、日頃 目と鼻の不快感を経験し、ハウスダストまたはダニに対する抗原特異抗体が陽性であるが、それ以外は健康な100人の成人を募った。
参加者は、LH2171群(SBT2171を含む発酵乳)とプラセボ群(乳酸菌ヘルべを含まない発酵乳)に分けられ、12週間毎日1本のボトル(100mL)を摂るように指示を受けた。
研究者は、LH2171群がプラセボ群と比較して8週目までに目と鼻の不快感スコアを著しく改善したことを見出した(p <0.05)。
LH2171群は、9週目までにプラセボグループと比較してくしゃみの回数が有意に少なかった(p <0.05)。
研究者等は、L. helveticus SBT2171がアレルギー反応やTh2サイトカインの産生を引き起こす抗原特異的抗体の産生を抑制するのに役立つ可能性があると述べている。
免疫細胞の不均衡(Th2細胞が多くTh1細胞が少ない)は鼻漏やくしゃみなどの目と鼻の不快感をもたらすと説明している。 このように、調査結果は、L. helveticus SBT2171の摂取がTh2細胞の増加を抑制し、免疫細胞のバランスをもたらし、全体的なアレルギー症状を改善することを確認した。
その種で初めて
厚生労働省が実施した患者調査によると、アレルギー性鼻炎患者数は、1998年に比べて2008年に約1.3倍増加している。
アレルギーの治療法はないが、花粉やハウスダストなどの原因物質の除去または回避は、対症療法薬の服用と同様にアレルギー症状を軽減するために推奨されている。
薬物を使用しない治療法としては、乳酸菌ヘルベなどのヨーグルトドリンクを12週間摂取することで、くしゃみや不快感が軽減し、日常生活の質の改善に役立つ可能性がある。
雪印メグミルクは、日本市場で初めて関連特定機能を表示したヨーグルトで、 「L.helveticus SBT2171」 が新たな機能と市場を切り開く可能性を期待している。
広報・IR部門のマネージャーであるMasanori Sagara氏は、乳酸菌ヘルベ(100mL)1本あたりに10億個のL. helveticus SBT2171が含まれているとNutraIngredients-Asia誌に語った。 製品は低脂肪で、ボトルあたり37 kcal、コンビニエンスストアやスーパーで、120円で販売されている。
Sagara氏によれば、今のところ、海外販売の計画はないとの事。
同社は、Gaseri SP株とBifidobacterium SP株を含む他のヨーグルト製品も発売している。
出典:Functional Foods in Health & Disease
https://doi.org/10.31989/ffhd.v9i1.557
「Lactobacillus helveticus SBT2171の摂取安全性とダニおよびハウスダストに関連する鼻および眼症状に対するその影響:非盲検試験および無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験」
著者:Maya Yamashita等