2015年4月のFFC制度開始から2020年3月までの間に、すでに253のFFC製品が届出を撤回している。
これは、同期間に消費者庁に届け出た2,951件のFFCのうち、約8.5%にあたる。
本データは、日本の健康食品・化粧品コンサルタント会社である株式会社スムースリンクが作成したレポート「機能性表示食品(FFC)の現状分析」に基づいている。
別の制度である特定保健機能食品(FOSHU)と異なり、FFC制度では健康強調表示を行うことに消費者庁(CAA)の承認を必要としない。
製品の安全性と有効性を評価し、CAAのウェブサイトで公開される情報を消費者庁長官に提出することは、事業者の責任となっている。
届出済みの全FFCのうち、今年3月時点で市場に出回っているのは1,373製品と約46.5%にとどまっている。
FFCの残りの部分について、「他の多くの製品はまだ販売を開始していない」と報告している。
また、販売終了がFFC撤回の理由のトップとなっている。
253件の撤回されたFFCのうち、115件が販売終了による。
販売終了とは、事業者が特定の商品が完売した時点で製造・販売を中止したことを意味する。
製品改良の必要性から25件が撤回された-製品撤退の理由としては2番目に多い。
3番目は、販売の見通しが立たないというもので、22件。
その他には、組織変更、販売者変更、商品名変更、健康強調表示の再評価などがある。
事例研究
グルコサミンやHMBを含むFFCの中には、新たな科学的知見により、撤回を余儀なくされ、成分名や表示内容の変更を行わなければならなかったものもある。
例えば、2017年のThe BMJによる新しい科学的研究論文の発表を受けて、関節の健康を掲げたグルコサミン27製品が撤回された。
メタ解析の結果、処方された結晶性グルコサミン硫酸塩以外のグルコサミン製品は、変形性股関節症や膝関節症の痛みや機能に効果がないことが判明した。
また、グルコサミンの正式名称はグルコサミン塩酸塩であるべきだとの指摘もあった。
「このため、多くの事業者が届出情報の変更を余儀なくされた。 棚から消えたのは45件で、うち27件が撤回された。17件は状況が不明である」と報告している。
別の例は、HMBを含むFFCに関するものであった。
機能を示すHMBの正しい名称はHMBカルシウムのため、企業は誤った名称の製品の取り下げを命じられた。
その後、HMB 45製品のうち14製品のみが市場に復帰した。