年齢層別ブーム：ファンケル、中国の越境ECで好成績を収めたブランドを、一般取引の目玉とする

ファンケルは2018年に初めて中国の越境ECに参入し、現在はメインプラットフォームの「Tmall Global」で40～50種類のサプリメントを販売している。

ファンケル経営企画室のTakayuki Misawa氏によると、「年齢別サプリメント」シリーズは好調に推移しているという。

このシリーズは、Tmall Globalの総売上高の約60%を占めている。当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比で倍増となった。

年齢別サプリメントは、20代から60代までのさまざまな年齢層の男女を対象としたサプリメントシリーズ。それぞれの性別や年齢層に必要な栄養素を取り揃えている。

例えば、40代女性向けのサプリメントには、コラーゲン、ブルーベリー、ルテイン、ビタミンB、Cなどが配合されている。

Misawa氏は「パッケージだけでどの世代・性別の方が摂るべきか一目でわかります。また、サプリメントは個包装されているので、お土産やプレゼントにも便利です」という理由でこのシリーズが人気だと考えている。

中国の消費者に人気のある別の製品はカロリミットで、健康な人の食後の血糖値と中性脂肪値を下げ、糖と脂肪の吸収を抑制すると言われている。

今年初め、ファンケルは年齢別ベースのサプリシリーズに続く第二の成長の柱として美容サプリを挙げ、越境ECでの美容サプリブランド (Deep Charge Collagen) の提供を開始した。

一般取引​

FANCLは最近、販売代理店のChina Sinopharm International Corporation (Sinopharm Groupの子会社) の支援を受け、海南島のオンライン (Tモール) 、免税店、薬局を通じて、中国に於ける一般取引チャネルに参入した。

Tmall Globalと混同されないよう、Tmallは販売業者に中国の現地当局に製品を登録させ、現地法人を持つことを求めるが、Tmall Globalの販売業者は中国国外に法人を持ち、輸入した製品を中国で販売することができる。

中国では、健康食品やサプリメントを一般取引で販売するためには、商品ごとの許可・承認が必要となるが、越境ECの場合はその限りではない。

この承認プロセスには時間とコストがかかる。 「一般取引販売を開始できるようになるまでの時間を効果的に活用するために、2018年に越境ECを開始しました」とMisawa氏は語る。

現在、ファンケルでは5種類のビタミン・ミネラル製品の販売が承認されており、年内には15種類の製品に拡大したいと考えている。

更なるオンラインストアや実店舗への展開を検討している。

一方、健康食品の届出が受理されるまでに時間がかかるため、越境ECでの販売は継続する。

ファンケルは現在、人々の健康と美を支援する 「Vision 2030」 の一環として、新たな3カ年計画を策定中である。現中期経営計画は2018年4月にスタートし、2021年3月に終了する。