大塚の電解質飲料は、普通の水よりも運動に伴う筋痙攣の予防に優れる - 試験

By Guan Yu Lim

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大塚の電解質飲料は、普通の水よりも運動に伴う筋痙攣の予防に優れる - 試験

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大塚製薬工場の経口補水液(OS-1)を摂取することで、普通の水を飲む場合と比較して、若い男性の運動に伴う筋痙攣を予防できる可能性があることが解った。

OS-1は、軽度から中等度の脱水状態にある人の水分・電解質バランスを正常に保つための水分・電解質補給を目的とし、日本では個別評価型病者用食品として承認されている。

筋痙攣は、痛みを伴う不随意筋収縮で、運動中または運動後に起こる。原因は多因子性である可能性が高く、脱水や電解質の不足が要因と考えられている。

日本の大塚が資金提供した最近の研究によると、オーストラリアと日本の研究者は、OS-1の摂取が、ふくらはぎの筋肉を電気的に刺激し、筋肉の痙攣を誘発することによって測定された筋痙攣感受性を低下させる可能性があることを見出した。

この研究結果は、Journal of International Society of Sports Nutrition誌​に掲載された。

研究デザイン

この交差試験には、22歳から31歳の男性10名が参加した。全員が健康で体力があり、定期的に運動(週に2〜3回)をし、筋痙攣を起こすような体質ではない。

暑さ(35~36℃)の中で40~60分間のダウンヒル・ランニングを行い、体重を1.5~2%減少させた。

参加者は、体重の減少を補うために、天然水かOS-1のどちらかを摂取するという課題を与えられた。実験は1週間後に、別な方法で繰り返された。

電解質飲料(OS-1)は、ナトリウム(1150mg/L)、カリウム(780mg/L)、マグネシウム(24mg/L)、塩化物(1770mg/L)、グルコース(18,000mg/L)、その他(リンなど)からなる経口補水液(ORS)である。

水のグループには、少量のナトリウム(2mg/L)、カリウム(0.5mg/L)、マグネシウム(18mg/L)、塩化物(1.2mg/L)、カルシウム(39mg/L)を含む天然水(Coles Natural Spring Water、オーストラリア)が与えられた。

ふくらはぎの筋痙攣感受性は、ベースライン、ランニング直後、ランニング30と65分後に痙攣を誘導するための電気刺激の閾値周波数 (TF) により評価した。

刺激周波数は10 Hzから始まり、筋痙攣が誘発されるまで30秒ごとに2 Hzずつ上げてゆき、TFを記録した。TFが高いほど筋痙攣を起こしにくい。

血清ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび塩素濃度と血清浸透圧を測定するために、ベースライン、ランニング直後と65分後に血液試料も採取した。

電解質の効果

OS-1の結果では、TFは6.5±4.9Hz(運動直後)、11.5±6.4Hz(運動後30分)、13.6±6.0Hz(運動後65分)と増加した。

しかし、天然水では、それぞれの時点でTFが3.8±2.7Hz、4.2±2.2Hz、4.5±1.7Hzと減少した。

今回の研究では、運動中の筋痙攣感受性を評価することはできなかったが、運動直後のTFの減少は、運動中にも筋痙攣感受性が高まっていることを示していると考えられる。

血清浸透圧と血清ナトリウム濃度は、天然水条件でわずかに低下した。このことは、OS-1よりも天然水を摂取した方が、血液中のナトリウム濃度が希釈されることを示唆している。

しかし、研究者らは、血清ナトリウム濃度の低下が筋肉痛の原因ではないかもしれないと述べている。

彼らは、OS-1条件下でのTFの増加は、電解質ではなくグルコースによるものではないかと説明している。

今後の研究では、天然水に同量のブドウ糖を加えて、筋痙攣に対するブドウ糖の影響を調べることを推奨している。

制限事項と推奨事項

本研究は、 OS‐1の摂取が筋痙攣の予防に効果的であることを示したが、これがなぜなのかを調べるためにはさらなる研究が必要である。

研究者らはまた、今回の研究結果を確認するため、女性参加者、運動選手、その他の年齢層を含めることを推奨した。

 

出典:Journal of the International Society of Sports Nutrition

https://doi.org/10.1186/s12970-021-00414-8

「高温化に於ける運動時の経口補水液と天然水の摂取が若年男性の筋痙攣感受性に及ぼす効果」

著者:Wing Yin Lau,ら

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