セラバイオファーマによるクルクミンの生物学的利用能の向上は、免疫、認知および変形性関節症研究の計画につながる

By Guan Yu Lim

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セラバイオファーマによるクルクミンの生物学的利用能の向上は、免疫、認知および変形性関節症研究の計画につながる

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日本の株式会社セラバイオファーマは、クルクミン製剤「クルクルージュ」のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が優れていることを示す新たな知見を得たとし、現在、免疫、認知、変形性関節症などの研究でその有効性を検証している。

同社は、栄養補助食品や医療業界向けの機能性成分やデリバリーシステムを開発しているバイオテクノロジー企業。

クルクルージュは、アモルファス状の新規クルクミン製剤で、比較製品に比べて3倍以上のバイオアベイラビリティを示す。

ラット試験では、クルクルージュのバイオアベイラビリティは3.7倍で、12人のボランティアからなるヒト試験では、3.4倍であった。

本研究は、国立研究開発法人 科学技術振興機構とセラバイオファーマの共同研究として行われ、Journal of Functional Foods​誌に掲載された。

より高いバイオアベイラビリティ

Curcuma longa​(クルクマ・ロンガ)由来のクルクミンには有益な薬理作用があり、生活習慣病や皮膚疾患を予防するためのサプリメントとして利用することができる。しかし、バイオアベイラビリティが低く、難水溶性のため、その普及には限界があった。

クルクルージュは、2020年初めにセラバイオファーマが静岡県立大学薬学部分子病態分野の森本 達也教授と共同で開発したものである。

クルクルージュは、クルクミンエキス、加工デンプン、コーンスターチを含むアモルファス製剤。

森本教授はNutraIngredients-Asia​誌に「クルクルージュは結晶構造よりも分子としての移動自由度がはるかに高いアモルファス構造クルクミンです。これが技術の根本的な違いで、アモルファスはバイオアベイラビリティのためのより良い構造となり得ます。我々の臨床試験の結果は、明らかに優位性を示しています」と説明した。

比較製品であるセラクルミンの粒子は小さく均一(0.19μm)だが、クルクルージュの粒子は10μm以下で、均一ではなかった。

研究デザイン

ヒト臨床試験には、BMIが18.0~30.0kg/m2の19歳から60歳までの健康な成人が参加した。

被験者はクルクルージュ(3カプセル、90mgのクルクミン)を摂取することとし、ベースライン、摂取後0.5、1、2、4、8時間後に血液サンプルを採取された。

バイオアベイラビリティは、最大血漿濃度(Cmax)と最大濃度に達するまでの時間(Tmax)を用いて算出した。

クルクルージュは0.5, 1, 2, 4時間で比較製品よりも有意に高い血漿クルクミン濃度を示した。

クルクルージュ(1337±955 nmol/L、p<0.002)のCmaxは5.4倍高く (248±141 nmol/L) 、ヒトにおいてより短時間でTmaxを達成できることを示した。

今後の研究

被験者には副作用は観察されなかった。研究者らは 「この新しいタイプのクルクミン製剤は安全であり、低用量でのクルクミンの生理活性を増強するのに有用であるかもしれない」 とコメントした。

セラバイオファーマのCEOである橋本 正氏によると、クルクルージュは現在、免疫、軽度認知障害、および変形性関節症に対する効果を評価する他の臨床試験で試験されているという。

日本だけでなく世界中の企業と協力して、機能性製品にクルクルージュを組込んでいきたいと考えている。

出典:Journal of Functional Foods

https://doi.org/10.1016/j.jff.2021.104443

「健康なボランティアにおけるクルクミンの生物学的利用能を改善する新規アモルファス製剤:単回投与、二重盲検、2方向交差試験」

著者:森本 達也ら

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