中高年の記憶力アップ:日本の味の素がRCTに基づく認知機能低下のための アミノ酸サプリメントを発売

By Guan Yu Lim

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中高年の記憶力アップ:日本の味の素がRCTに基づく認知機能低下のための アミノ酸サプリメントを発売

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味の素株式会社は、健康な中高年および何らかの記憶障害がある高齢者の認知機能低下リスクを低減するため、臨床試験で裏付けされたサプリメントを発売した。

サプリメント「能活セブンアミノ」には、ロイシン、フェニルアラニン、リジン(塩酸塩として)、イソロイシン、ヒスチジン(塩酸塩として)、バリン、トリプトファンの7種類の必須アミノ酸が配合されている。

味の素ダイレクトマーケティング部の金子正美さんは、「加齢に伴い低下する認知機能のうち、注意力や認知の柔軟性を維持する機能があります」と語る。

「認知機能の低下を気にする健康な中高年のポジティブな気持ちもサポートします。」

科学的裏付け

このサプリメントの発売は、味の素が最近実施した二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果​に基づいている。

試験には、サプリメントと同じ処方を用い、学習機能に障害がなく、多少の物忘れはあるものの認知症と診断されていない健康な被験者が参加した。

被験者は対照群 (プラセボ群)、3g群、6g群に分けられた。製剤は顆粒状の粉末で、口中で溶かすか、水に混ぜた。

12週間の摂取後、6gグループの参加者は、プラセボと比較して、注意力と作業記憶が有意に改善されたことが見出された(p=0.04)。

なお、3g群とプラセボ群間での有意差はなかった(p=0.94)。

また、6g群ではポジティブな感情に関連するスコアが高かったことから、研究者らは、トリプトファンやフェニルアラニンなどの一部のアミノ酸が抗うつ剤のような効果を招いた可能性があったと説明している。

7つのアミノ酸は、脳内の神経伝達物質も構成しており、学習、記憶、注意、動機付けに重要な役割を果たしている。

商品化

知見により、味の素は認知機能が気になる健康な中高年をターゲットにしたマスマーケット向けの商品を開発することとした。

能活セブンアミノは、同じ顆粒状の粉末で、3gの小袋に入っており、摂取目安は1日2回、計6gの摂取となっている。

今回の研究に携わった味の素バイオ・ファイン研究所の高田理浩氏は、「日本は急速に高齢化が進んでいる国です。すでに65歳以上の高齢者が人口の4分の1を占めており、高齢者人口の増加に伴い、認知機能の低下が大きな社会問題となっています」と述べている。

「認知機能の低下は日常生活に支障をきたすため、認知機能の維持・向上は、医療や介護など社会全体の負担軽減の観点からも重要であり、QOLの維持・向上にもつながります。」

2016年にPLoS Oneに掲載されたある研究​では、4,000人以上の日本の高齢者(65歳以上)における軽度認知障害(MCI)の有病率は約17%であった。MCIは、アルツハイマー病の発症リスクの増加にも関連している。

能活セブンアミノは、日本ではFFC(機能性表示食品)となっている

味の素は、2021年度に3億円の売上を目指している。

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