長崎大学とキリン、新型コロナ患者の症状緩和に関する乳酸菌研究へ

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長崎大学とキリン、新型コロナ患者の症状緩和に関する乳酸菌研究へ

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長崎大学とキリンホールディングスは、新型コロナ患者の症状緩和に対する乳酸菌の効果を評価するための共同臨床研究に着手している。

乳酸菌は、キリンホールディングスが2010年に発見した「ラクトコッカス・ラクティス ストレイン・プラズマ」(以下プラズマ乳酸菌)で、ウイルス感染に対する防御を担う免疫系の司令塔であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を活性化する性質があることが知られている。

本共同研究は、プラズマ乳酸菌が、症状の軽い新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の症状を緩和できるかどうかを調べる無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験となる。

COVID-19の感染拡大は2019年12月に発生し、現在までに世界で3億人以上の感染者と500万人の死者を出している。

「COVID-19感染は、いまだ世界的な社会問題です。多くの変異株が出現しているSARS-CoV-2に対する有効性と、入院を必要としない患者に容易に投与できて症状の緩和や発症を抑制する方法を併せ持つものが、引き続き求められています。最近、オミクロンの変異型が確認され、より重要な課題となっています」と、キリンコーポレートコミュニケーション部のTatsuya Takadaアシスタンヨマネージャーは語る。

キリンは、プラズマ乳酸菌について、インフルエンザウイルス、ロタウイルス、デングウイルスに対する様々な臨床・非臨床研究を行い、他の乳酸菌と比較して高いウイルス感染防御機能を有することを明らかにしている。

「キリンが蓄積してきたプラズマ乳酸菌の研究成果をもとに、この乳酸菌がCOVID-19の発症予防や患者の症状緩和に有効である可能性があると考えています」とTakada氏。

研究計画

この研究は、長崎大学病院呼吸器内科の山本 和子講師を中心に、軽度の臨床症状を示す20歳から65歳までのCOVID-19陽性患者100名を、複数の病院において募集する予定(研究は2021年12月より開始:訳者注)。

被験者を2つのグループ(各50名)に均等に分け、一方のグループにはプラズマ乳酸菌を含むタブレット(4000億単位/日)を、もう一方のグループにはプラセボを投与する。14日間、錠剤を服用することになっている。どちらのタブレットもキリンホールディングスから提供されている。

主要評価項目は、咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、味覚・嗅覚障害、食欲不振、胸痛などCOVID-19感染に特徴的な自覚症状の変化で、重症度スコア(無影響、少影響、中影響、重影響の4段階)とVAS(視覚的アナログ尺度)により評価される。

副次的評価項目として、SARS-CoV-2ウイルス量および変化率、形質細胞様樹状細胞(pDC)の比率、活性化マーカー(HLA-DR、CD86)の変化、SARS-CoV-2特異抗体(IgM、IgG)、末梢血単核細胞(PBMC)におけるサイトカイン(IL-6、MCP-1)、インターフェロン、インターフェロン誘導性抗ウイルス因子、および入院率について検証する。

なお、本試験は2023年4月に終了する予定となっている。

Takada氏によると、長崎大学との提携は、2021年5月の日本感染症学会でキリンが「ラプラズマ乳酸菌」の効果を発表したことがきっかけだった。

「当社はそこで山本先生とお会いし、治療薬が開発されていない無症状・軽症状のCOVID-19感染症の患者さんに、ラプラズマ乳酸菌が有効である可能性を議論し、この菌の新しい可能性を見つける研究を行うことになりました。」

「長崎大学とキリンホールディングスは、プラズマ乳酸菌が、COVID-19に対する新しい予防・治療法のひとつとなる可能性を期待しています。」

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