財務ラウンドアップ: Danone、Unilever、大塚製薬、キリン、a2 milkに注目
Danone CEO:中国事業は「極めて好調」、乳児用・医療用栄養製品の売上が伸長
Danoneの最高経営責任者(CEO)は、23年度の中国事業は「極めて好調」であり、乳幼児や医療用栄養製品を含む専門的な栄養ポートフォリオが成長を後押ししたと述べた。
Danoneの23年度の売上高は、既存店ベースで4兆6700億円、対前年比7%増となった。経常営業利益は5920億円で、利益率は12.6%と前年から40ベーシスポイント(bps)上昇した。
Antoine de Saint-Affrique CEOは、乳児用粉ミルクのポートフォリオが強化され、経管 栄養事業が好調であったことを挙げ、昨年度の中国事業を「極めて好調」と評している。
市場に打ち勝つ:a2 milk、縮小する中国の乳児用粉ミルク部門で1.5%の成長を報告
a2 milk Company は、市場全体の売上が14%近く縮小しているにもかかわらず、2024年度上半期の中国における乳児用粉ミルクの売上が1.5%増加したと発表した。
総売上高は3.7%増の768億5714万円であった。所有者持分に帰属する税引き後純利益も15.6%増の80億7280万円となった。
最大の市場である中国では、市場全体の売上高が13.6%減少し、数量が10.7%減少した にもかかわらず、乳児用粉ミルクの売上高は1.5%増加した。
電解質飲料が後押し:大塚ホールディングス、中国需要で「ポカリスエット」高成長へ
電解質飲料「ポカリスエット」は、特にパンデミック後の中国での需要が旺盛で、APAC市場におけるスポーツドリンクの成長率を5倍以上も上回っている。
大塚ホールディングスが所有するこのブランドは、同社のニュートラシューティカルズ 事業の成長を牽引する重要な要因として挙げられている。
大塚ホールディングスの2023年度の総売上高は16.1%増の2兆180億円、総事業利益は78.7%増の3,125億円であった。
キリン23年度決算:健康機能飲料の売上高が30%増、免疫飲料と小容量ボトルが牽引
キリンは2023年3月期決算において、健康機能飲料、特に小容量ペットボトル飲料の需要に牽引され、ノンアルコール飲料事業が好調な増収を達成したと発表した。
内訳を見ると、独自の免疫系ポストバイオティクスであるLactococcus lactis株Plasma (LC-plasmaとしても知られる) を含むノンアルコール飲料など、健康科学関連製品の売上高が継続的に増加している。
収益の柱となったのは「キリン おいしい免疫ケア」シリーズで、1本100mlの小容量ペットボトル製品の販売数量が前年同期比3.4倍となった。同シリーズには「キリン おいしい免疫ケア カロリーオフ」「キリン おいしい免疫ケア 睡眠」などがある。
プレミアムプッシュ:Unilever India は、食品部門の成長はより高価格の付加価値製品に あるとみる
Hindustan Unilever India(HUL)は、国内での継続的な成長を維持するため、プレミアム戦略に引き続き注力していることを強調、その主な例としてHorlicks Plusなどの製品を 挙げた。
2023年度第3四半期決算では、売上高がほぼ横ばいの0.1%増の2896億円、税引き後 利益はマイナス2%減の682億円となった。
このような状況の中、同社は、Horlicks Plusを含む健康食品飲料カテゴリーが長期的な 成長の可能性を持つ「構造的に魅力的なカテゴリー」であると考えている。