代替タンパク質需要を満たすためスピルリナの量産を目標にする日本の企業

By Tingmin Koe

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代替タンパク質需要を満たすためスピルリナの量産を目標にする日本の企業
産業革新機構(INCJ)と三菱商事(MC)はスピルリナのメーカーである株式会社タベルモに17億円を投資した。この後、INCJとMCはタベルモに新たな株主として参加、それぞれ31.43%の所有権を持つこととなった。

注入された資金は、生産を強化するためにブルネイで新しい生産拠点を建設するために使用される。タベルモは現在ところ富士山の生産拠点しかない。 

タベルモ執行役員兼CFOのKengo Fukui氏は生産の増加に伴い、スピルリナを量産し、持続可能なタンパク質源の多様化に貢献することを望んでいるとNutraIngredients-Asiaのインタビューで語った。

スピルリナは、乾燥重量基準で65%を超えるタンパク質含有量を有するため、潜在的に重要なタンパク質源と考えられている。

「植物から作られた人工肉を生産する企業が増えている。弊社は人工肉を作るための代替原料として藻類を使用したいと考えている」と同氏は語り、同社は今なおこの分野の製品開発について研究している一方、人工肉の生産のための藻類を代替品として供給することを検討していると付け加えた。

立ち上げから2年で、達成された最大生産量が年間100トンであることを明らかにし、同社は、生産を10倍に増やすことを望んでおり、年間1000トンの目標で世界最大の藻類サプライヤーになることを願っていると語った。

東南アジアへの拡大

Fukui氏は、安定した気温と日光暴露がブルネイを新しい生産拠点として選んだ理由だと説明した。

新施設では、インドネシアとマレーシアの消費者に繋がることを期待して日本とシンガポールからの販売を拡大する。 オーストラリア、ブルネイ、ミャンマー、ベトナムなどのほかの国も拡大計画の一部に入っている。

現在、同社の主な顧客はフルーツジュースの屋台、カフェ、レストラン、個々のバイヤー、特にスピルリナを美容製品の一種であると見る女性の消費者だ。

同氏は、ブルネイの生産拠点が今年建設を開始し、2019年後半または2020年初めに稼働することを明らかにした。

市場規模

スピルリナは、ビタミン、ミネラル、繊維が豊富であるので、「大型スーパーフード」の一種であるとされている。乾燥粉末、錠剤、解凍後に飲み物に入れることが出来る凍結ゲルなどの形で消費されている。

Persistence Market Researchによると、世界のスピルリナ市場は2026年に推定16億ユーロ(20億ドル)に達し、2016年から毎年10%のCAGRで成長すると予測されている。

この中で、世界のスピルリナ抽出物市場は2025年までに220百万ユーロ(270百万ドル)を生み出し、欧州がかじ取り役の地位を保ちながら、2025年に70.4百万ユーロ(86.1百万ドル)の推定額に達すると見込まれている。

Mintelグローバル新製品データベース(GNPD)によれば、ヨーロッパでは、昨年世界でスピルリナを含む食品、飲料、栄養補助製品の発売が最も多く、世界市場に於ける製品販売の70%を担っている。アジア太平洋地域は14%を占め、 北アメリカ10%、中東とアフリカ5% 、ラテンアメリカは1%であった。

スーパーフードと見なされるほか、スピルリナをチョコレートなどの一般消費製品に組み入れる企業もある。たとえば、オランダの新興企業、Algae Factoryは、スピルリナを含む藻類のチョコレートを生産している。

Mintel GNPDによれば、2017年に販売されたスピルリナ含有製品の大半は砂糖&ガム菓子部門(45%)で、チョコレート菓子(12%)、ベーカリー(9%)、デザート&アイスクリーム(7%)、ジュース飲料(6%)、ビタミン/ミネラル栄養補助食品(5%)が続いた。

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