機能性表示食品:消費者の高い関心と理解不足

By Gary Scattergood

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機能性表示食品:消費者の高い関心と理解不足
消費者、医師や薬剤師は日本の機能性表示食品には高い関心を持っているが、この制度に関してはほとんどが理解不足である。

2015年4月に機能性表示食品制度は導入され、製造者が限定された健康表示を、特保のような厳しいプロセスを経ずに行う事ができる。

特保は国が、主張されている効能や安全性を審査、消費者庁が請求事項を満たす個々の製品の表示を許可する方法を取っている。

機能性表示食品は、事業者の責任の下,安全性・有効性の科学的根拠を示し販売60日前に届け出すればよいだけである。

かなり緩和された制度のため、多くの製品が機能性表示食品として販売されている(7月現在で1000品目以上)。

2060人の消費者、515人の医師と515人の薬剤師に対し行った最近のインターネット調査の結果では、消費者の81%、医師の93% と薬剤師の98% がこの新システムについては知っていたが、消費者の16%、医師の23% と薬剤師の44% のみが、この制度の主要特性を理解しているにすぎなかった。

インフォメーションギャップ

さらには、消費者の12% が機能性表示食品を使用または購入している事も分かった。

このうち26% が公開されている消費者庁のホームページで製品についてチェックしたにすぎない。また何人かは、機能性表示食品を自身の疾病の治療のために使用しており、さらには薬剤との併用について医師や薬剤師に相談をしていなかった

この調査は国立健康・栄養研究所によって行われたが、わずか8% の医師や薬剤師が患者から機能性表示食品の使用について相談されたにすぎない事も分かった。

また患者から薬剤との併用による、起こりうる健康被害の相談を受けたのは2%であった。

Nutrition Research​誌も、消費者庁の公開する関連情報は貧弱であるとしている。

記事の中で、登録に関する記載事項(2%)、出版バイアスの評価(12%)、参考にされた研究の科学的な質に基づいた適切な結論(27%)とどれをとっても貧弱であると主張している。

 

食品衛生学雑誌 Vol. 58(2017) No. 3

機能性表示食品制度の施行1年後における現状

―消費者および医師・薬剤師を対象としたインターネット調査―

千葉 剛* 佐藤陽子 小林悦子 梅垣敬三

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