脂溶性ビタミンは女性に限って、心不全による死亡率を低下させるかもしれない:日本のコホート研究

By Cheryl Tay

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脂溶性ビタミンは女性に限って、心不全による死亡率を低下させるかもしれない:日本のコホート研究
日本の研究が、女性のみにおいて特定の脂溶性ビタミンのより高い摂取は、心不全による死のリスクを低下させるのに役立つかもしれないと示唆している。

心不全は、日本などの高齢化が進んでいる国では、一般的な公衆衛生上の問題である。

日本のいくつかの大学の研究者らは、脂溶性ビタミンA、D、EおよびKの食事摂取量と心不全患者の死亡率との関連性を評価する研究を行った。 

40歳から79歳の男性23,099人と女性35,597人が日本多施設共同コホート研究に参加、4つのビタミンの摂取量を計算するために食事摂取頻度調査アンケートの記入を行った。

中央値19.3年間のフォローアップ期間中、567人(男性240人、女性327人)が心不全で亡くなった。

女性であるメリット

研究者らは、心不全による死亡の性特異性リスクを推定し、それが男女のビタミンA摂取量と無関係であることを見出した。しかし、ビタミンD、E、Kの摂取になると、女性に限って低いリスクが認められた。彼らは、各ビタミンの摂取と心不全による死亡のリスクとの関連性は、「他のビタミンの摂取量の相互調整後、わずかに減弱したが統計学的に有意であった」と付け加えた。

このことが、脂溶性ビタミンD、EおよびKの高い摂取量が、女性における心不全による死亡リスクの低下に関連しているが、男性ではそうではないという見解をもたらした。

詳細不足

制限に関して、「研究初期(1994年以前)における心不全の死亡を確認するための死亡診断書の使用は、心停止または不整脈死などの原因不明の死亡の大部分は、虚血性心疾患による死亡とアメリカでは分類されているが、日本では不特定の心不全と記録されていたと言う理由で疑問の余地がある」と研究者らは記述している。「この分類は、診断された心不全の27%〜50%を占めていた。したがって、この研究における心不全の死亡数は、心停止致死数によって損なわれおり、脂溶性ビタミンの食事摂取と心不全との関連に影響を与えている可能性がある。」

しかし、研究者らは、10年間の追跡調査期間中に心不全による死亡を除外する感度分析が同様の関係を示したとも述べている。

「この大規模なコミュニティベースの前多目的コホート研究では、脂溶性ビタミン(K、E、およびD)のより高い食事摂取量は、日本人男性ではなく、女性では心不全による死亡リスクの低下と関連していた」と結んだ。

 

出典:Nutrition

https://doi.org/10.1016/j.nut.2017.09.009

 "Dietary intakes of fat soluble vitamins as predictors of mortality from heart failure in a large prospective cohort study"

「大規模多目的コホート研究における心不全による死亡の予測因子としての脂溶性ビタミンの食物摂取量」

著者:Ehab S. Eshak等

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