自然災害後のプロバイオティクス:森永乳業のオリジナル製品は洪水被災者の心の健康を支える

By Tingmin Koe

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自然災害後のプロバイオティクス:森永乳業のオリジナル製品は洪水被災者の心の健康を支える
森永乳業は、同社の保有するプロバイオティック、Morinaga Bifidobacterium infantis (ビフィドバクテリウム・インファンティス)M-63が洪水被災者の精神的健康に有益な効果を及ぼすことを示す研究結果を発表した。

2015年9月から12月の間にUniversity Sains Malaysia(USM)と共同で実施され、Beneficial Microbes誌​に掲載されたこの調査は、2014年12月のマレーシアでの洪水の53人の犠牲者に焦点を当てている。 

当時、洪水はこの数十年で、同国の最悪な出来事の一つと見做されていた。環境衛生の欠如は結果として、消化器系疾患を含む様々な身体的合併症を引き起こすことが知られている病原性細菌の増加に人々がさらされることとなった。

このばく露は心理的問題も引き起こした。 研究者らは、「大洪水の後に過敏性腸症候群(IBS)を発症した地域の人々は、重大なメンタルヘルス障害を持っている」と記述している。

USM医学部のLee Yeong Yeh教授はメディア声明の中で次のように述べている。

「我々は53人の洪水被害者を対象とした研究を行い、腹部異常の有無にかかわらず、被験者間の微生物叢の組成に、ある有意差があることを発見した。Bifidobacterium infantis M-63を補給することで、腹部異常のある被験者の精神的ストレスを大幅に軽減することに成功した。」

脳腸軸

森永とUSMは、洪水の被害者は災害時だけでなく回復期にも医療介入を必要とすることを受けて、IBSを発症する参加者の症状、心理的健康および全体的な生活の質に対するB. infantis M-63摂取の影響の評価を試みた。

研究者らはまた、観察するであろう何らかの改善が腸内微生物叢の変化によってもたらされたかどうかを突き止めようとした。

参加者のうち、20人のIBS患者にそれぞれ一日1袋のB. infantis M-63粉末を3ヶ月間補給し、残りは消化器系の問題がなく、コントロールとしてプロバイオティクスを与えなかった。

研究者らは介入試験前後の参加者の精神状態を評価するために生活の質(QOL)SF-36アンケートを使用し、彼らの糞便サンプルを使用して腸内細菌叢の包括的な分析を行った。

最終的に、治療群の11人の参加者と対照の20人がプロトコルに従って研究を完了し、完全解析と治験実施計画書に適合した条件の双方において、後者と比較して前者のグループでは改善された精神衛生が報告された。

介入群の同じ11人の参加者の中で、研究者たちは不安と身体の痛みの違いを観察した。 対照群と比較した場合、介入群は、より高い介入後精神スコアと相関する、より低いグラム陽性細菌門 / グラム陰性細菌門の比率も示した。

治療前、介入群の参加者は平均介入前合計メンタルスコアは75だったのが、治療後は83.1に上昇した。 彼らの精神衛生スコアも治療前の70から治療後の86まで向上した。

プロバイオティクスプラセボ?

それにもかかわらず、研究者らは、「地域に密着したの参加者の採用が困難であるため」、無作為化およびプラセボの欠如、ならびに介入グループのサンプル数が少ないために研究に障害が生じる可能性があると認めた。

さらに、この研究は「洪水後の困難な農村環境」に暮す「洪水の影響を大きく受けたことがなく、以前にそのような介入研究を受けたことのない脆弱な個人」を用いて実施された。

それ自体、投与を受けた参加者が、B. infantis M-63が状態を確実に改善し、それによって不安を軽減すると信じ込んでしまう都合の良いプラセボ反応または確認バイアスを持っていた可能性がある。

研究者らは、この研究は「IBSを発症している洪水にあった個人の精神的健康におけるプロバイオティクスB. infantis M-63による有意な改善」を示したと結論付けた。

「この改善はおそらく微生物バランスと腸脳軸の回復によってもたらされる。しかしながら、我々の結論は研究の制限という状況の中で解釈されなければならない。我々の研究結果を確認するために、将来的に大きな無作為研究が必要である。」

サイコバイオティクス的影響

この研究で使用されたプロバイオティクスであるB. infantis M-63は、以前の試験で異物侵入に対する免疫防御を強化するのに有効であり、ビフィズス菌(すなわち、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536およびビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V)と組み合わせて摂取すると不定期の便秘や下痢の症状を改善するのにも効果がある。

「精神衛生に対するプロバイオティクスの有益性に関する最近の発見は、腸脳軸のさらなる探究をもたらし、最近の世界的なプロバイオティクス研究の最先端にある」と森永乳業の次世代科学研究所長、Xiao Jinzhong博士は述べている。

公式発表で森永乳業は、人の腸内微生物叢に関連している消化、体重管理、免疫、さらにはメンタルヘルスなどの健康への懸念により、腸内細菌叢の健康に対する多面的な影響についての意識と研究が高まっていると述べた。

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