機能性表示食品インサイトPart 1:複数の健康強調表示を持つ製品が増える – 独占データ

By Guan Yu Lim

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機能性表示食品インサイトPart 1:複数の健康強調表示を持つ製品が増える – 独占データ

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日本の機能性表示食品(FFC)市場では、複数の健康強調表示を掲げる製品が増加しており、その数は、今期は300を上回ると予想されていることが、市場にスポットを当てた第一弾の独占データで明らかになった。

今年4~6月に届出された221件のFFCのうち、3分の1近く(80件)が複数の強調表示を持つFFCとなっている。

昨年の4月から今年の3月までに、このような製品の届出は200件近くあり、ちなみに2017年期は100前後、2018年期は150を若干、上回った。

今期、届出される複数健康強調表示を持つFFCは、最低でも300件に達する見込みと言われている。

本データは、日本の健康食品・化粧品コンサルタント会社である株式会社スムースリンクが作成したレポート「機能性表示食品(FFC)の現状分析」に基づいている。

より厳しい特定保健用食品制度に比べ、2015年4月に開始されたFFC制度では、消費者庁(CAA)の承認を必要とせずに健康強調表示を行う事が出来る。

富士経済の市場調査によると、FFCの推定市場規模は今年、2018年比38.6%増の3,000億円を超える。

一方、特保市場は2018年比5.5%減の3,400億円(約3兆8,000億円)と予想されている。

2015年4月にFFC制度が導入されて以来届出された2,951件のFFCのうち、646が複数の健康強調表示を行っている。

複数表示の例として、ルテイン UQ プラス(ユニキス)がある- FFC を追跡するオンライン データベースのPlusaidよりの情報

今年、4月15日に登録されたルテインとゼアキサンチンを配合した製品は、1)目の黄斑色素量を増やして維持し、コントラスト感度やまぶしさからの回復をサポートする、2)一時的な精神的なストレスやブルーライトなどの光のストレスを軽減する、という訴求をしている。

別の例として、フジフイルムの「メタバリアプレミアム」というサプリメントがある。

サラシノール、エピガロカテキンガレート、フロロタンニン、モノグルコシルルチンを配合し、1)食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、高めのBMIやお腹の脂肪を減らす、2)糖の吸収を抑えるなどと謳っている。

理由

この傾向は、科学的な進歩により、さまざまな成分がどのような働きをするのか、より多くの情報が得られるようになったことに起因していると、Smooth Linkの代表取締 加藤 久明氏はNutraIngredients-Asia​誌に語った。

「理由はシンプルです。特定の機能性関与成分についてより多くの科学的な証拠が明らかになれば、最終製品を消費者にとってより魅力的なものにするために、より多くの健康強調表示を追加するのは自然なことです」と同氏は述べた。

新しい科学的な知見を活用することで、より多くの健康訴求力を持つ製品は、同じような処方でありながら訴求が1つしかない製品よりも、消費者にとって魅力的なものとなる。

「それは差別化のためのマーケティング手法です...市場には似たような処方の製品が多く出回っています。消費者がそれらを比較したときに、より健康訴求の多い商品の方が魅力的に映るでしょう」と述べた。

複数の健康強調表示を持つFFCのほとんどが難消化性デキストリンとGABAを含んでいると付け加えた。

orihiro green tea

一例として、食物繊維として難消化性デキストリンとGABAを配合したオリヒロの粉末緑茶がある。

この製品は、1)食後の中性脂肪の上昇を抑える、2)食後の血糖値の上昇を抑える、3)高めの血圧を下げるという3つの健康効果を訴求している。

FFCに関する以前の分析によると、 2015年から2018年の間に、複数の生物活性成分を含む多くのFFCは、組成に基づく複数の訴求が可能なのに、健康強調表示は一種類だけであった。

報告書では、1つだけの健康強調表示をする際の問題点として、消費者が異なる体の領域の栄養を補うために、異なる訴求を持つ類似の製品を摂取してしまう可能性があると述べている。

人気の高い健康強調表示

全体的には「中性脂肪の減少」が最も多く、489のFFCが訴求している。

これに続いて「血糖値を抑える」が424件。

その他、「腸内環境を整える」(352商品)、「体脂肪を減らす」(329商品)、「血圧を下げる」(279商品)、「肌に潤いを与える」(234商品)、「目の機能をサポートする」(228商品)、「ストレスや緊張を和らげる」(189商品)などが人気の訴求内容となっている。

これらの健康効果について、事業者はより詳細な説明を行うことができる。

例えば、「体脂肪を減らす」は、「食後血糖値や血中中性脂肪値を防ぐ」、「脂肪の代謝を助けて消費しやすくする」、「BMIが高くなると腹筋脂肪が減る」などの詳細な訴求をサブグループとして見ることができる。

また、「女性の排尿回数を減らす」「健康な免疫力を維持する」など、新たな健康強調表示を持つFFCが登場している。

今後、新たな健康訴求を行うFFCが市場に投入されることが予想される。

健康強調表示の課題

加藤氏は、健康強調表示を掲げる届出者は、医薬品医療機器等法(薬機法)を意識する必要があるとし、これに違反するとFFC製品の撤回につながる可能性があると指摘した。

以前の例としては、数社が消費者庁(CAA)から「歩行能力の向上」を表示していたHMBを含むFFCの撤回を命じられたケースがある。

これは、厚生労働省がこれらの製品が薬機法に違反していると判断したためと言われている。

機能性の評価方法

レポートによると、FFCのほとんどがシステマティックレビュー (SR) のエビデンスに基づいた健康強調表示を行っているという。

無作為化比較試験(RCT)に基づいた強調表示を持つFFCはわずか194件。

また、届出者は、製品そのものではなく、使用されている機能性関与成分のSRに基づいて、強調表示のエビデンスとすることができる。

今年3月時点のデータでは、ほとんどのFFC(2,742社)が使用する機能性関与成分のSRに基づいて健康強調表示を行っており、最終製品のSRで強調表示を行っているのは1社のみであった。

三つ目の方法は、製品のRCTと使用されている機能性関与成分のSRからエビデンスを示す方法。この方法に基づいて強調表示を行ったのは14件であった

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